こんにちは。
お金は生きていく上では必要なものですが、お金を稼ぐことが日常生活の最優先ではいけないよね、という思いを最近強く感じるようになりました。
2024年現在の日本社会では、多くの人が衣食住が満たされているけれど、この時代を生きる私たちは常に不満、不安を強く感じているのではないだろうか。世の中ではお金を稼ぐことがすべてのような風潮さえ感じられる。
この問題の原因は個人的には大きく3つだと思う。
- 実力主義の世の中で経済格差の拡大
- その経済格差がネット社会で皆んなに可視化された
- 変化が激しい、不確実性の高い社会
世の中、勝ち組・負け組というわかりやすい区別を付けたがる傾向にあると思うし、昔の古き良き日本のように皆んなが豊かになっていく時代でも無くなった。
私が学生時代〜新社会人の頃は就職氷河期だったが、この頃まだ日本企業はかろうじて終身雇用や年功序列を守ろうとしていた。途中から「これからの世の中は実力主義だ!成果主義だ!」と叫び始めた。
でも、その実力主義の世界はほんの少しの勝ち組だけが豊かになってしまったのではないだろうか。どの世界でも上位の数%が圧倒的に豊かになり、知名度も上がり、名声を手に入れる。
企業の場合であれば、その業界のNo.1が圧倒的にシェア、業績を伸ばして大きくなる。個人で言えば、成績上位のものがインセンティブという名の業績賞与を手に入れて、社内のライバルに倍以上の収入の差をつける。
社内での出世競争を勝ち抜けば、役員のポジションを狙える。多くの収入を得ている者だけが、ほしいものを我慢せずに手に入れることができ、理想の人生を送ることができる。
厄介なことに、格差の実態がインターネット社会の到来とともに、皆んなに平等に可視化され、自然と比較されるようになってしまった。
私はITエンジニアの仕事をしているので、インターネットで便利になった世の中の到来を歓迎している立場だけど、先に述べたように、常に他人と比較されるというのは気分がよくないけど、ついつい他人と比べてしまうという人が多いのではないだろうか。
そして、世の中の変化が激しく、計画的に人生設計ができないことが不安をさらに煽っていると感じる。終身雇用や年功序列といった良き日本のシステムはすでに過去のものになりつつあるが、そこにさらに、物価上昇、AIのような技術革新で仕事が奪われるという危機感から給与はそう簡単には上がらず、個人の単位で考えれば、結婚する、家庭を持つ、子供を育てるといった大きなライフイベントを避けるようになっている。
しかし、世の中を個人の力で変えることはできない。
経済格差の解消は今の政府が取り組んでいるとは言っても、賃金(給与)が上がらないと嘆いている人は多いし、実力主義の世の中を以前のように、終身雇用・年功序列の時代に戻れるとはとても思えない。
もう、皆んなが一律に経済的に豊かになるということは起こりそうにないので、わかりやすい正解は期待しない方が良いということだと思う。
今、個人レベルでできることは、幸せや充実感を感じられる生き方を模索するしかないということ。
収入が少ないよりは多い方がいいが、嘆いてみたところで、変わらない可能性が高い。
そうではなく、モノ(所有物だけでなく、こうでなければいけないと思い込んで知らず知らずのうちに背負い込んでいるもの)や、押し付けられた価値観を一旦、手放してみて本当に必要なものだけを楽しむという生活の知恵が必要になると思う。